人気が出てきた中古住宅市場
新築住宅の価格が高くなり過ぎたこともあって、中古住宅が見直される傾向にある。特に、マンションは首都圏を中心に新築の高騰が続いていて、平均的な会社員ではとても手がとどかなくなっている。そのため、中古マンションに目を向ける人が増え、中古市場が活況をていしているようです。いまどきの中古マンションの選び方を見てみましょう。
首都圏のマンション市場は新築より中古のほうが多くなってきている
まずは、図表1をご覧ください。これは、首都圏で年間に発売された新築マンションと、中古市場で成約されたマンションの戸数を比較したもの。マンション価格が比較的落ち着いていた2013年までは、断然新築マンションの方が多かったが、その後の急激な価格上昇によって、新築マンションの発売戸数は大幅に減少しました。
それに対して、中古マンションは安定的に成約件数を伸ばし、2016年には中古マンションの成約件数が3万7,189件になり、新築マンションの3万5,772戸を上回って関係が逆転しました。その後は新築マンションの価格上昇に歯止めがかかり、一方では中古マンション価格も上がってきたこともあり、新築と中古ほぼ同じ水準ながら、わずかに中古のほうが多いという状態になっています。
なぜこんなことが起こったのか・・・それは、さまざまな面で中古マンションのメリット認識されるようになってきたことはいうまでもありません。
第一に挙げられるのは、新築に比べたときの中古マンションの安さでしょう。
図表2にあるように、マンション価格上昇前の2012年の新築マンションの平均価格は4,540万円で、同じ年の中古マンション成約価格の平均は2,500万円でした。両者の差は2,040万円でした。それが2017年に新築が5,908万円まで上がり、中古は3,195万円で、その差は2,700万円以上に拡大しました。2018年には差が若干縮小したものの、中古の割安感から、中古マンションに関心を向ける人が増えているわけです。
民間調査機関の東京カンテイの調査による、年収の何倍でマンションが買えるかという2017年の年収倍率は、新築の全国平均が7.81倍で、首都圏平均は11.01倍、近畿圏も8.26倍に達しているのに対して、中古マンションは全国平均が5.30倍で、首都圏は7.42倍、近畿圏は5.59倍でした。新築は高くなり過ぎて、平均的な会社員では買いにくくなっているが、中古マンションならなんとかなるという人が多いのではないでしょうか。
次回に続きます。